「葬式を行いたいけれど、呼ぶ人がいない」
「参列者が少なくても、きちんとしたお別れができるのだろうか」
このような不安な気持ちを抱えてはいませんか?親族や地域との付き合いが希薄になりつつある現代において、こうした悩みを持つ方は決して少なくありません。
この記事では、呼ぶ人がいない場合でも故人を温かく見送るための具体的な葬儀の形や、進める上での注意点について解説します。読み終える頃には、あなたの状況に合った最適な見送り方が分かり、前向きな気持ちで準備を進められるようになるでしょう。
記事の目次
葬式に呼ぶ人がいなくても大丈夫?
結論から申し上げますと、葬式に呼ぶ人がいなくても全く問題はありません。世間体を気にして「寂しい葬儀だと思われないか」と心配される方もいらっしゃいますが、葬儀の本質は参列者の数ではないからです。
ここでは、呼ぶ人がいなくても大丈夫な理由を今の葬儀事情とあわせてお話しします。
最も大切なのは故人を偲ぶ気持ち
葬儀において何よりも重要なのは、故人を偲び、安らかな旅立ちを祈る気持ちです。たくさんの参列者が集まる盛大な葬儀も立派ですが、大勢の対応に追われて遺族が疲れ切ってしまい、故人とゆっくり向き合えないケースも珍しくありません。
逆に、呼ぶ人がいない状況であれば、形式や世間体に縛られることなく、最期の時間を故人のためだけに使えるのです。心を込めて見送ることができれば、それは素晴らしい葬儀といえるでしょう。
少人数での小規模葬は近年珍しくない
実は近年、少人数での葬儀を選ぶ方が非常に増えています。核家族化や高齢化が進み、交友関係が整理された後に亡くなる方が多いため、大規模な一般葬を行うケースの方が減ってきているのが現状です。
「家族葬」や「直葬」という言葉が一般化したように、身内だけで静かに見送るスタイルは、現代のスタンダードになりつつあります。呼ぶ人がいないことに対して引け目を感じる必要は全くないのです。
参考:【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年) アフターコロナで葬儀の規模は拡大、関東地方の冬季に火葬待ちの傾向あり | はじめてのお葬式ガイド
参列者が1名でも葬儀は行えるため問題なし
葬儀は、喪主様お一人だけでも執り行えます。実際に、参列者が喪主様のみ、あるいはご夫婦お二人のみといった葬儀も日々行われているのです。
葬儀社もまた、こうした少人数の葬儀に慣れており、人数に関わらず丁寧に対応してくれます。「人がいないから葬儀ができない」ということは決してありませんので、どうかご安心ください。
呼ぶ人がいない場合の葬儀の形

では、呼ぶ人がほとんどいない場合には、にどのような葬儀の形があるのでしょうか。主に選ばれるのは「直葬(火葬式)」と「家族葬」の2つのスタイルです。それぞれの特徴を理解して、希望に近い形を選んでみてください。
最も費用を抑えられる「直葬・火葬式」
直葬(ちょくそう)または火葬式とは、通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う最もシンプルな形式です。宗教的な儀式を省略することが多く、病院などの安置場所から火葬場へ直接移動して、火葬炉の前で短いお別れをします。
参列者を招く必要がないため、「呼ぶ人がいない」という状況の方には選ばれやすい形式です。儀式的な進行がない分、費用も時間的な負担も最小限に抑えられます。
【関連記事】家族葬で通夜なしの流れを解説!費用やマナー、後悔しないための注意点 | 家族葬のそうえん【公式】 | 東京都日野、町田の葬儀社 | 多摩地区クチコミ評価No.1
親しい数名で見送る「家族葬」
家族葬は、ごく親しい身内や友人だけで行う小規模な葬儀です。「呼ぶ人がいない」といっても、数名の親族や特に親しかった友人がいる場合は、こちらを選ぶ方もいらっしゃいます。
通夜や告別式を行う点は一般的な葬儀と同じですが、参列者が限定されるため、アットホームな雰囲気でゆっくりとお別れができます。儀式としての形を整えつつ、規模だけを小さくしたい場合におすすめです。
【関連記事】初めてでも安心!家族葬のやり方と流れを時系列で解説【準備リスト付】 | 家族葬のそうえん【公式】 | 東京都日野、町田の葬儀社 | 多摩地区クチコミ評価No.1
直葬・火葬式のメリットとデメリット
呼ぶ人がいない場合に選ばれやすい「直葬・火葬式」ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。後になって「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、両面をしっかり把握しておきましょう。
判断に役立つ主な特徴を以下の表にまとめました。
| 特徴 | 詳細 |
| 金銭的負担 | 通夜・告別式がないため、葬儀費用を大幅に抑えられる。飲食費や返礼品代もほぼ不要。 |
| 精神的負担 | 参列者への挨拶や接待が不要なため、気疲れせず故人との時間に集中できる。 |
| お別れの時間 | 火葬場での時間は限られており、ゆっくり顔を見てお別れする時間が短い傾向にある。 |
| 周囲の理解 | 伝統を重んじる親族や、菩提寺(お付き合いのあるお寺)から反対されるリスクがある。 |
メリット1:参列者対応の精神的負担がない
最大のメリットは、参列者への「おもてなし」をしなくて済む点です。一般的な葬儀では、受付の準備や席順の決定、食事の手配など、喪主は非常に多くの業務に追われます。
直葬であれば、こうした対外的な対応が不要になるため、悲しみの中にいる遺族の精神的な負担が大きく軽減されます。周囲に気を使うことなく、自分たちのペースで見送りができるのは大きな助けとなるはずです。
メリット2:葬儀費用を大幅に軽減できる
直葬は、祭壇を飾ったり広い式場を借りたりする必要がないため、費用を比較的安く抑えられます。経済的な理由で葬儀にお金をかけられない場合や、故人が「葬儀にお金を使わないでほしい」と希望していた場合にもおすすめです。
浮いた費用をその後の供養や、遺族のこれからの生活費に充てるという考え方も、賢明な判断といえるでしょう。
次の項目からはデメリットについて解説します。
デメリット1:親族の理解を得にくい場合がある
一方で、伝統的な葬儀を重んじる親族がいる場合、「式もしないなんて可哀想だ」と反対されることがあります。呼ぶ人がいないと思っていても、遠い親戚などが後から「なぜ呼んでくれなかったのか」と不満を漏らすトラブルもゼロではありません。
もし連絡がつく親族がいる場合は、事前に「今回は少人数で静かに送りたい」と事情を説明しておきましょう。
デメリット2:お別れの時間が短くなる傾向がある
直葬の場合、火葬炉の前でのお別れは通常5分から10分程度と、非常に短くなります。ゆっくりと故人の顔を見て思い出を語り合ったり、花を手向けたりする時間は十分に取れないことが多いです。
もし「もう少し長く一緒にいたい」と考えるなら、火葬の前に安置施設で面会やお別れの時間を設けられるか、葬儀社に確認することをおすすめします。
直葬・火葬式の具体的な流れと費用

直葬・火葬式を選ぶ場合、どのような流れで進んでいくのか、具体的なイメージを持っておくことが大切です。ここでは、逝去から収骨までの手順と、実際にかかる費用の目安について解説します。
手順1:逝去から遺体の安置まで
まず、医師による死亡確認が行われた後、遺体を搬送する必要があります。日本の法律では死後24時間は火葬ができないため、ご自宅や葬儀社の安置施設などに一度ご遺体を安置しなければなりません。
この時点で葬儀社に連絡を取り、寝台車の手配と安置場所を決定します。自宅に連れて帰るのが難しい場合は、葬儀社の専用施設を利用するのが一般的です。
手順2:納棺式と出棺
安置場所で一晩を過ごした後、ご遺体を棺に納める「納棺」を行います。この際、故人の愛用していた服を着せたり、燃える素材の副葬品を一緒に入れたりできます。
納棺が終わると、火葬の予約時間に合わせて、寝台車で火葬場へと出棺します。この移動の車中や納棺の時が、故人とゆっくり過ごせる最後の時間となることが多いです。
手順3:火葬と収骨
火葬場に到着したら、火葬炉の前で最後のお別れ(焼香や読経など)を短時間行います。その後、火葬が行われ、火葬中は控室で待機することになります。
火葬が終わると、遺骨を骨壺に納める「収骨」を行い、すべての工程が終了となります。その後は解散し、遺骨をご自宅へ持ち帰るか、埋葬先が決まっていればそのまま納骨に向かう場合もあります。
費用の目安は20万円から45万円程度
直葬・火葬式の費用相場は、20万円から45万円程度と言われています。この金額には、ご遺体の搬送費、安置料、棺代、骨壺代、火葬料金などが含まれます。
ただし、安置日数が延びたり、公営ではなく民営の火葬場を利用したりする場合は、費用が加算されることがあります。読経を依頼する場合は、別途お布施が必要になる点も覚えておきましょう。
参考:お葬式に関する全国調査からみる葬儀費用の推移・変化(2013年~2024年) | はじめてのお葬式ガイド
葬儀で後悔しないための注意点3つ

呼ぶ人がいないからといって、何も確認せずに進めてしまうと、後々思わぬトラブルに発展することがあります。
特に以下の3点は、葬儀後に「やっておけばよかった」と後悔しやすいポイントですので、必ず確認してください。
注意点1:菩提寺があれば事前に連絡を入れること
先祖代々のお墓があるお寺(菩提寺)がある場合は、必ず葬儀の前に連絡を入れましょう。菩提寺に相談なく直葬を済ませてしまうと、「儀式を経ていない遺骨は納骨できない」と断られてしまうリスクがあります。
「呼ぶ人がいないので直葬にしたい」と正直に事情を話し、戒名や読経をどうするか相談することで、後のトラブルを避けられます。
【関連記事】家族葬のお布施費用はいくら?相場と内訳、失礼のない渡し方のマナーを解説します | 家族葬のそうえん【公式】 | 東京都日野、町田の葬儀社 | 多摩地区クチコミ評価No.1
注意点2:訃報を伝える範囲を慎重に決めること
呼ぶ人がいないと考えていても、故人が生前お世話になった方がどこかにいる可能性はあります。
もし連絡すべきか迷う相手がいる場合は、葬儀が終わった後に報告する形をとるのが無難です。事前に伝えてしまうと、「参列したい」と言われた際に断るのが難しくなったり、香典のやり取りが発生して逆に手間が増えたりすることがあります。
注意点3:複数の葬儀社から見積もりを取ること
直葬はシンプルなプランが多いですが、葬儀社によって含まれるサービスや費用に差があります。中には、基本料金は安くても、ドライアイス代や搬送費が追加で高額になるケースもあります。
時間が許す限り、2〜3社から見積もりを取り、「総額でいくらかかるのか」「希望するお別れの形ができるか」の比較検討をおすすめします。
葬儀後に必要となる対応
葬儀が無事に終わった後も、いくつかの対応が必要になります。参列者がいなかったからこそ、周囲への事後報告や対応は丁寧に行うことで、社会的な区切りをつけられます。
葬儀後に死亡通知を送る
葬儀を終えた後は、年賀状のやり取りがあった知人や、遠方の親戚などに「死亡通知(または事後報告のハガキ)」を出します。
文面には、故人の氏名、死亡日、そして「故人の遺志により近親者のみで葬儀を済ませた」という旨を記載します。相手も「なぜ連絡がなかったのか」と不審に思うことなく、事情を理解してくれるはずです。
香典を辞退する旨を明確に伝える
死亡通知を受け取った方の中には、後から現金書留で香典を送ってくださる方もいます。しかし、香典を受け取ると、後日「香典返し」の手配が必要になり、事務的な負担が増えてしまいます。
負担を減らしたい場合は、通知状の中に「誠に勝手ながら、御香典の儀は固くご辞退申し上げます」と一筆添えておくとスムーズです。
後日の弔問希望者への対応を考える
稀にですが、訃報を知った知人が「線香だけでもあげさせてほしい」と自宅を訪ねてくることがあります。故人を思ってのことですので無下にはできませんが、突然の来客は負担になる場合もあるでしょう。
無理に対応せず、体調や都合が悪い場合は正直に伝えて後日にしてもらうなど、自分の生活を守る対応をしても無作法とされにくいです。
まとめ
この記事では、葬式に呼ぶ人がいない場合の不安を解消し、納得のいくお別れをするための要点をお伝えしました。
- 葬式は参列者の数ではなく、故人を想う気持ちが最も大切である。
- 呼ぶ人がいない場合は、費用と負担を抑えられる「直葬(火葬式)」がおすすめ。
- 菩提寺がある場合は、納骨トラブルを避けるために必ず事前に相談する。
- 葬儀後の報告や香典辞退を明確にすることで、その後の負担も軽減できる。
呼ぶ人がいないことは、決して寂しいことや恥ずかしいことではありません。形式にとらわれず、あなたらしい心温まる見送りができることを願っています。
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厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
遺体感染管理士出身の新潟で広告業などを経験し、出産・子育てを経て東京へ移住。
縁あって出合った司会の仕事をきっかけに葬儀業界へ、年間300件のお別れに立ち会い、2021年、株式会社 葬援の取締役に就任。

