大切なご家族との別れは、突然訪れることもあれば、予期していても心が追いつかないものです。そのような精神状態で、数時間の間に葬儀社を決めなければならない状況は、非常に大きな負担となります。
もしあなたが今、「どこの葬儀社にお願いすればいいのだろう」「失敗して後悔したくない」と不安を感じているのなら、この記事がその手助けとなるはずです。
この記事では、後悔しない葬儀社の選び方と、良心的な業者を見極めるための具体的な判断基準について解説します。読み終える頃には、あなたが自信を持って納得のいく選択ができるようになっているでしょう。
記事の目次
葬儀社選びで最も重視したい基準とは?
葬儀社を選ぶ際に最も大切なことは、「故人らしい送り出しができるか」と「遺族の想いに寄り添ってくれるか」という点です。数ある葬儀社の中から信頼できる一社を見つけるためには、表面的な価格の安さだけでなく、本質的なサービスの質を見極める必要があります。
ここでは、まず最初に確認すべき3つの重要な基準について解説します。
見積もりの内訳が明確で追加費用の説明が丁寧か
見積もりの段階で、最終的に支払う総額費用が明確に提示されているかどうかを確認してください。葬儀費用は「基本セットプラン」だけでは収まらないケースが多く、ドライアイス代や安置料、火葬場への交通費などが追加で発生することが一般的です。
良心的な葬儀社であれば、これらの変動費や追加オプションを含めた「実際に近い総額」を最初から提示してくれます。逆に、安価なセット料金だけを強調し、詳細な内訳を説明しない業者は、後から高額な請求が発生するリスクがあるため注意が必要です。
【関連記事】【家族葬の費用】相場と内訳を徹底解説!賢く安くする方法も紹介
希望や悩みを丁寧に聞いて適切な提案をしてくれるか
担当するスタッフが、遺族の話をしっかりと聞き、状況に合わせた提案をしてくれるかどうかも重要な判断基準です。葬儀は一度きりの儀式であり、やり直しがききません。こちらの要望や不安に対して、「それはできません」と突き放すのではなく、「この方法なら実現できます」と代替案を出してくれる姿勢があるかを見てください。
電話対応や対面相談の際に、こちらのペースに合わせて話を聞いてくれるか、専門用語を多用せず分かりやすい言葉で説明してくれるかを確認することで、その会社の姿勢が見えてきます。
その場で契約を迫らず検討時間を与えてくれるか
相談の段階で契約を急かさず、遺族が考える時間を尊重してくれる葬儀社を選んでください。大切な人を失った直後は正常な判断が難しいため、すぐに契約を迫ってくる業者は遺族の利益よりも自社の売上を優先している可能性があります。
信頼できる葬儀社は、他社との比較検討を歓迎し、見積もりを持ち帰って家族で話し合う時間を推奨してくれます。「今決めれば安くなります」といった言葉で即決を求めてくる場合は、一度立ち止まって冷静になりましょう。
葬儀社の3つの形態とそれぞれの特徴

「葬儀社」と一言で言っても、運営母体や特徴はさまざまです。それぞれの形態によって得意なことや料金体系が異なるため、自分の希望する葬儀スタイルに合った業者を選ぶことが大切です。
主な3つの形態について、その特徴と違いを整理します。
| 形態 | 主な特徴 | メリット | 注意点 |
| 専門葬儀社 | 地域密着型で自社ホールを保有していることが多い | 地域ごとの風習に詳しく、柔軟な対応が可能 | 会社によって設備や質の差が大きい |
| 互助会 | 積立金制度を利用して葬儀を行う組織 | 豪華な設備や大規模な葬儀に対応できる | 積立金だけでは費用が不足する場合がある |
| ネット仲介業者 | Web集客に特化し、提携葬儀社を紹介する | 定額プランで価格がわかりやすく安価な傾向 | 実際に施工する葬儀社の質が事前にわからない |
専門葬儀社|きめ細かなサービスと柔軟な対応が強み
専門葬儀社は、葬儀を専門に扱う独立した企業であり、地域の風習やしきたりに精通しています。自社で斎場を所有していることが多く、小規模な家族葬から大規模な社葬まで幅広く対応できるのが特徴です。
また、マニュアルにとらわれない柔軟な対応が期待できるため、「故人の好きだった音楽を流したい」「思い出の品を飾りたい」といった個別の要望も相談しやすい傾向にあります。地域での評判を重視して運営しているため、丁寧なサービスを提供する会社が多いのも安心材料の一つです。
互助会系葬儀社|月々の積立制度でコストを分散できる
互助会は、毎月一定額を積み立てることで、冠婚葬祭の際にサービスを受けられるシステムです。立派な斎場や設備を持っていることが多く、参列者が多い一般葬などではスムーズな運営が期待できます。
しかし、積み立てた金額だけですべての葬儀費用が賄えるわけではなく、あくまで「基本プランの一部」に充当される仕組みであることがほとんどです。会員でない場合でも利用は可能ですが、費用が割高になるケースもあるため、事前に見積もりの詳細を確認しましょう。
ネット仲介型|複数社比較が可能だが提携先の見極めが重要
インターネットで集客を行い、提携している地域の葬儀社を紹介するサービスです。
「紹介型」と「プラン提供型(定額型)」の2種類があり、紹介型は複数社の見積もり比較が可能で、プラン提供型は全国一律の定額プランを提供します。費用を抑えたい場合や、比較検討を簡単に行いたい場合に便利です。
ただし、実際に葬儀を行うのは紹介された提携業者であるため、業者の質にばらつきがある可能性があります。申し込みをする前に、どこの葬儀社が担当するのか、その葬儀社の評判はどうなのかを確認することで、当日のトラブルを防げます。
葬儀の見積もり段階でチェックしたい項目
複数の葬儀社から見積もりをとっても、記載方法が統一されていないため、単純に合計金額だけで比較するのは危険です。
安く見えても必要なものが含まれていなかったり、逆に不要な高額オプションが含まれていたりすることがあります。見積もりを見る際に必ずチェックすべき具体的な項目について解説します。
参考:大切な葬儀で料金トラブル発生!-後悔しない葬儀にするために知っておきたいこと-(発表情報)_国民生活センター
基本プランに含まれない項目と追加料金を確認する
提示されたプラン料金に含まれていない項目を具体的に質問してください。多くのプランでは、祭壇や棺などの基本物品は含まれていますが、ドライアイスの日数追加分、安置施設の利用料、火葬場での待合室料などは別料金となっているケースがよくあります。
また、宗教者へのお布施や、参列者に振る舞う飲食費、香典返しなどの費用も別途必要になります。「葬儀を終えるまでに、この見積もり以外にかかる可能性のある費用は全て教えてください」と担当者に尋ねましょう。
人数増減で変わる飲食費・返礼品代を明確にする
参列者の人数によって金額が変わる項目が正しく計上されているかを確認してください。
料理や返礼品などの「変動費」は、見積もり時点では最低限の人数で計算されていることが多く、実際の参列者が増えると請求額が大幅に跳ね上がることがあります。
想定される参列者の人数をあらかじめ多めに見積もって計算してもらうか、人数が増えた場合の単価を確認しておくことで、支払い時の想定外の出費を防げます。
支払期限と利用可能な決済方法を事前に把握する
葬儀費用の支払い期限や方法についても、契約前に必ず確認が必要です。一般的に葬儀費用は、葬儀終了後から1週間~10日以内に現金または銀行振込で一括払いするケースが多く見られます。
しかし、葬儀費用は高額になることが多いため、生命保険の給付金が入るまで支払いを待ってもらえるか、クレジットカード払いや分割払いに対応しているかを確認しておくと安心です。
資金繰りに不安がある場合は、正直に相談することで、支払いの相談に乗ってくれる良心的な業者もあります。
病院から紹介された葬儀社をそのまま選んで大丈夫?

病院で亡くなった場合、看護師や事務員から提携している葬儀社を紹介されることがよくあります。
慌ただしい状況の中で、「病院の紹介なら安心だろう」と考えてそのまま依頼してしまう方も多いですが、必ずしもそれが最善の選択とは限りません。ここでは、病院紹介の葬儀社に対する適切な対処法について解説します。
ご遺体の搬送のみを依頼し葬儀契約は保留する
病院から遺体を搬送しなければならない期限が迫っている場合でも、葬儀の契約まで即決する必要はありません。まずは「ご遺体の搬送と安置」だけをその業者に依頼し、葬儀自体を行うかどうかは後で決めることができます。
搬送を依頼する際に、「葬儀については親族と話し合ってから決めます」と明確に伝えておきましょう。ご自宅や安置施設に移動して落ち着いた後に、改めて納得できる葬儀社を探す時間を確保してください。
その場で決めず必ず複数の葬儀社と比較する
紹介された葬儀社の見積もりや対応に少しでも違和感を感じたら、他の葬儀社と比較検討を行ってください。
病院と提携している葬儀社は、病院への紹介手数料などが費用に含まれているケースもあり、相場よりも割高になることがあります。スマートフォンの検索機能などを活用し、近隣の評判の良い葬儀社に電話をして、概算の見積もりを聞いてみるだけでも違いが分かります。
比較することで相場観が養われ、冷静な判断ができるようになります。
病院と葬儀社の提携関係を知った上で判断する
病院が葬儀社を紹介するのは、あくまで業務の一環として提携関係にあるからであり、葬儀社の質を病院が保証しているわけではありません。病院側は「遺体を早く搬出して病室を空けたい」という事情も持っています。
紹介された葬儀社が悪い業者であるとは限りませんが、「病院のおすすめだから絶対に安心」という思い込みは捨て、一社の候補としてフラットな目線で評価しましょう。
葬儀社へ事前相談に行くメリット
近年では、生前に葬儀社へ相談に行く「事前相談」を利用する人が増えています。「縁起が悪い」と敬遠されがちですが、実は事前相談こそが、理想の葬儀を実現し、家族の負担を減らすための最も有効な手段です。
事前に足を運ぶことで得られる具体的なメリットについて解説します。
メリット1:時間的余裕を持って複数社を比較検討できる
精神的に余裕のある時期に相談することで、複数の葬儀社を冷静に比較検討できます。
緊急時には「早く決めなければ」という焦りから、言われるがままに契約してしまいがちですが、事前相談なら見積もりの詳細をじっくり確認し、不明点を納得いくまで質問できます。他社の見積もりを持って相談に行き、「この内容で同じくらいの金額でできますか?」と交渉することも可能です。
冷静な判断ができるうちに、自分たちの要望に合った業者を見極められます。
メリット2:スタッフの対応や施設の雰囲気を実際に確認できる
実際に葬儀社のホールに足を運ぶことで、写真やパンフレットだけでは分からない現地の雰囲気を確認できます。控室の広さや清潔さ、バリアフリー対応の有無、スタッフの接客態度などは、実際に行ってみないと分かりません。
特にスタッフの対応は重要で、相談時の態度が丁寧であれば、本番でも親身になってくれる可能性が高いと言えます。故人や家族が過ごす最後の場所としてふさわしいかどうか、自分の目で見て肌で感じて判断してください。
メリット3:事前に予算の目安が分かり資金準備ができる
事前相談で見積もりを作成してもらうことで、葬儀にかかる費用の総額を把握し、資金の準備や心構えができます。
どの程度の規模で、どのような形式の葬儀を行うといくらかかるのかが具体的になるため、「お金が足りるか心配」という漠然とした不安を解消できます。
また、事前に会員登録などを済ませておくことで、割引特典が受けられる葬儀社も多いため、経済的なメリットも享受できる場合があります。
悪質な葬儀社を避けるための注意点

残念ながら、ご遺族の弱った心につけ込み、不当な利益を得ようとする悪質な葬儀社も存在します。トラブルに巻き込まれないためには、そのような業者の特徴を知り、自衛することが必要です。
ここでは、避けるべき葬儀社の特徴と、注意すべきサインについて解説します。
参考:国民生活センター「後悔しない葬儀にするために知っておきたいこと」
「今日契約なら~割引」など過度な値引きを警戒する
当初の見積もりから「今契約してくれたら半額にします」などと、根拠のない大幅な値引きを提案してくる業者には警戒が必要です。
適正な価格設定をしている優良な葬儀社であれば、最初から誠実な見積もりを提示するため、いきなり数百万円単位で金額が変わることはあり得ません。
大幅な値引きができるということは、元の価格設定が不当に高額であるか、あるいは必要なサービスを後から削られる可能性があります。
費用や内容の説明が曖昧で明確な回答を避ける業者に注意する
こちらの質問に対して、「だいたいそのくらいです」「ケースバイケースですね」などと曖昧な回答しかしない担当者は信頼できません。
また、「セットプランに入っていますから大丈夫です」と詳細を説明せずに話を終わらせようとする場合も要注意です。誠実な担当者であれば、分からないことは「確認して折り返します」と答え、費用の内訳やサービス範囲についても明確に説明します。
言葉を濁す姿勢は、後のトラブルの原因となるため、契約を避けるべきサインです。
ネットの口コミだけでなく実際に相談して判断する
インターネット上の口コミやランキングサイトの情報は参考になりますが、それだけで判断するのは危険です。中には、業者が自作自演で良い評価を書き込んでいるケースや、広告料を支払って上位に掲載されているランキングサイトも存在します。
ネットの情報はあくまで一つの目安とし、実際に電話で問い合わせた時の対応や、事前相談で感じたスタッフの印象など、自分自身が体験した一次情報を優先して判断してください。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- 葬儀社選びでは「費用の透明性」「スタッフの傾聴力」「契約を急かさない姿勢」の3点を最優先で確認すること。
- 見積もり比較時は、セットプランに含まれない追加費用や変動費を必ず確認し、総額で判断すること。
- 緊急時に病院から紹介されても即決せず、搬送のみを依頼して一旦落ち着いてから他社と比較検討すること。
葬儀社選びは、故人への最後の贈り物を選ぶ大切なプロセスです。焦らず、ご自身の目と耳で確かめた「納得感」を大切にしてください。この記事が、あなたとご家族にとって最良の選択の一助となることを願っています。
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厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
遺体感染管理士出身の新潟で広告業などを経験し、出産・子育てを経て東京へ移住。
縁あって出合った司会の仕事をきっかけに葬儀業界へ、年間300件のお別れに立ち会い、2021年、株式会社 葬援の取締役に就任。

