家族葬10人の費用相場は？総額と内訳、安く抑えるコツを分かりやすく解説

身内が亡くなり、悲しみに暮れる中で進めなければならないのが葬儀の準備です。近年、故人と親しい人たちだけでゆっくりとお別れができる「家族葬」を選ぶ方が増えています。

しかし、いざ準備を始めると「10人くらいの家族葬だと、費用はいくらかかるのだろう？」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、10人規模の家族葬にかかる費用の相場や内訳、そして費用を賢く抑えるための具体的なコツまで、分かりやすく解説します。

家族葬を10人で行う場合の費用相場とは？

家族葬を10人規模で執り行う場合、費用は一体どれくらいかかるのでしょうか。

まずは、費用の総額目安と、価格に差が出る理由、そして一般的な葬儀との比較について見ていきましょう。

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費用総額の目安は40万円～100万円

結論から言うと、参列者が10人規模の家族葬にかかる費用の総額は、おおよそ40万円～100万円が目安となります。

かなり幅があると感じるかもしれませんが、これは葬儀の形式や内容、依頼する葬儀社によって金額が大きく変動するためです。あくまで目安として捉え、ご自身の希望や予算に合ったプランを検討しましょう。

費用の価格差が生まれる3つの要素

費用の総額に幅が生まれる主な要素は、「葬儀の形式」「場所」「内容」の3つです。

例えば、通夜を行わない「一日葬」を選んだり、公営の斎場を利用したりすることで費用を抑えられます。また、祭壇のグレードや棺の種類、会食の有無なども費用を左右する大きなポイントです。どのようなお見送りをしたいか、ご家族でよく話し合って決めましょう。

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一般葬との費用比較

家族葬は、一般的な葬儀（一般葬）と比較して費用が抑えられる傾向にあります。

2024年の調査によると、家族葬の費用相場が約105.7万円であるのに対し、一般葬の平均費用は約161.3万円というデータがあります。参列者が少ない分、会場の規模を小さくでき、飲食接待費や返礼品費を抑えられることが、家族葬の費用が安くなる主な理由です。

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家族葬にかかる費用の主な内訳

家族葬の費用は、大きく分けて「葬儀一式費用」「飲食接待費用」「寺院費用」の3つで構成されています。見積もりを確認する際に慌てないよう、それぞれの内容をしっかり理解しておきましょう。

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葬儀一式費用

葬儀一式費用とは、お通夜や告別式など、葬儀の儀式そのものにかかる費用です。

具体的には、斎場の使用料、祭壇や棺、遺影、寝台車や霊柩車の費用、そして運営スタッフの人件費などが含まれます。参列者の人数によって大きく変動することは少ないですが、葬儀プランに含まれていない項目（例えば火葬料金など）がある場合もあるため、契約前に見積書の内容をしっかり確認する必要があります。

飲食接待費用

飲食接待費用は、通夜振る舞いや精進落としといった会食にかかる費用と、会葬御礼品などの返礼品にかかる費用を合わせたものです。

参列者の人数に比例して変動する費用であり、10人規模の家族葬ではこの部分を大きく抑えることが可能です。会食を行わなかったり、返礼品を省略したりする選択肢もあります。

寺院費用（お布施など）

寺院費用とは、読経や戒名を授けていただいた僧侶にお渡しするお礼、いわゆる「お布施」のことです。

葬儀社の見積もりに含まれていないことがほとんどで、別途準備する必要があります。お布施の金額に明確な決まりはありませんが、相場は15万円〜30万円ほどとされています。地域や宗派、お寺との関係性によっても異なるため、不安な場合は葬儀社や菩提寺に相談してみるとよいでしょう。

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家族葬の費用を安く抑えるための9つのコツ

故人を偲ぶ気持ちは大切にしつつも、費用はできるだけ抑えたいと考えるのは自然なことです。ここでは、家族葬の費用を賢く抑えるための9つの具体的なコツをご紹介します。

コツ1：公営斎場を利用する

民営の斎場に比べて、自治体が運営する公営斎場は利用料金が安価に設定されています。

費用を抑えたい場合は、まず公営斎場の利用を検討してみましょう。ただし、人気が高く予約が取りにくい場合もあるため、早めに葬儀社に相談することが重要です。

コツ2：葬儀の規模を見直す

本当に必要な儀式は何か、ご家族で話し合ってみましょう。

例えば、お通夜を行わない「一日葬」という形式を選択すれば、斎場の使用料や飲食代を一日分削減できます。参列者をさらに絞り込むことで、会場費や接待費を抑えることにも繋がります。

コツ3：複数の葬儀社から見積もりを取る

葬儀社によって料金プランやサービス内容は大きく異なります。

後悔しないためにも、必ず2〜3社から見積もりを取り、内容を比較検討しましょう。複数の見積もりを比較することで、費用の相場感を把握でき、不要なオプションを見極めることにも役立ちます。

コツ4：祭壇のグレードを検討する

祭壇は葬儀費用のうち大きな割合を占める項目の一つです。

豪華な白木祭壇だけでなく、生花で飾るシンプルな祭壇を選ぶなど、グレードを見直すことで費用を抑えられます。故人のお人柄を思い浮かべながら、ご家族が納得できる形を選びましょう。

コツ5：会食の形式を工夫する

通夜振る舞いや精進落としといった会食を省略したり、仕出し弁当ではなくレストランなどを利用したりすることで、飲食にかかる費用を抑えられます。家族だけで故人を偲びながら、ゆっくりと食事をするのも良いでしょう。

コツ6：無宗教葬を選択肢に入れる

特定の宗教・宗派の儀式に則らない「無宗教葬」を選ぶという方法もあります。この場合、僧侶を呼ばないため、お布施の費用がかかりません。故人の遺志やご家族の考えに合わせて検討してみてください。

コツ7：葬祭費の補助金制度を活用する

故人が国民健康保険や社会保険に加入していた場合、葬儀を行った人（喪主）に対して「葬祭費」や「埋葬料」が支給される制度があります。

金額は自治体や加入している保険組合によって異なりますが、数万円程度が支給されるのが一般的です。忘れずに申請手続きを行いましょう。

コツ8：インターネットで葬儀社を探す

最近では、インターネット上で複数の葬儀社を比較し、定額プランを提示しているサイトも増えています。店舗を持たないことでコストを削減し、比較的安価なプランを提供している場合があります。情報収集の一環として活用してみるのも一つの手です。

コツ9：事前に葬儀社の会員になる

もしもの時に備えて、事前に葬儀社の会員制度に加入しておくのも有効な方法です。

多くの葬儀社では、会員になることで葬儀プランの割引が受けられるなどの特典を用意しています。生前に準備をすることに抵抗があるかもしれませんが、いざという時の負担を軽減するために検討する価値はあります。

知っておきたい！葬儀における追加料金の存在について

最初の見積もりから最終的な請求額が大幅に上がってしまった、という事態は避けたいものです。ここでは、追加料金が発生しやすい典型的なケースを3つご紹介します。事前に知っておくことで、予期せぬ出費を防ぎましょう。

安置日数延長の追加料金

ご逝去から火葬までの間、ご遺体を安置しておく必要があります。

火葬場の空き状況などにより安置日数が予定より長引くと、追加の安置料やドライアイス代が発生することがあります。多くの葬儀プランでは安置日数が定められているため、超過した場合の料金体系を事前に確認しておくと安心です。

プラン外のオプション追加

基本的な葬儀プランに含まれていないオプションを追加すると、当然その分の費用が加算されます。

例えば、祭壇のお花を豪華にしたり、湯灌（ゆかん）の儀式を行ったり、特別なデザインの骨壷を選んだりする場合です。ご家族の希望と予算のバランスを考え、本当に必要なものだけを選ぶように心がけましょう。

遠方への搬送費用

ご逝去された場所（病院など）からご自宅や安置施設までの距離が遠い場合、プランに含まれる搬送距離を超過し、追加の搬送料金が発生することがあります。特に深夜や早朝の搬送は割増料金になることもあるため、葬儀社に確認が必要です。

後悔しないための葬儀社選び3つのポイント

費用と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが、信頼できる葬儀社を選ぶことです。大切な故人との最後の時間を安心して任せられるパートナーを見つけるために、以下の3つのポイントを必ずチェックしましょう。

ポイント1：見積書の内訳が明確か

提示された見積書に「葬儀一式」としか書かれておらず、詳細な内訳が記載されていない場合は注意が必要です。

信頼できる葬儀社は、どの項目にいくらかかるのかを一つひとつ丁寧に説明してくれます。不明な点があれば遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めましょう。

ポイント2：担当者の対応が丁寧で親身か

葬儀はただの儀式ではなく、ご遺族の心に寄り添う大切な時間です。

こちらの話を親身になって聞き、不安や疑問に対して丁寧に答えてくれる担当者かどうかを見極めましょう。悲しみの中にいるご遺族の気持ちを汲み取り、さまざまな提案をしてくれる葬儀社であれば、安心して任せることができます。

ポイント3：家族葬の実績が豊富か

家族葬には、一般葬とは異なるノウハウが必要です。

小規模だからこその配慮や、温かい雰囲気づくりのための提案力が求められます。その葬儀社がこれまでにどれくらい家族葬を手がけてきたか、実績を確認することも重要なポイントです。ホームページの施行事例などを参考にすると良いでしょう。

まとめ

10人規模の家族葬にかかる費用は、葬儀の内容や場所、依頼する葬儀社によって大きく変わりますが、おおよその相場は40万円から100万円です。

大切なのは、費用を抑えることだけを考えるのではなく、故人やご遺族の希望を尊重し、心のこもったお見送りをすることです。本記事でご紹介した費用の内訳や安く抑えるコツ、葬儀社選びのポイントを参考にして、後悔のない、温かい家族葬を実現してください。

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佐藤礼子

厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
遺体感染管理士出身の新潟で広告業などを経験し、出産・子育てを経て東京へ移住。
縁あって出合った司会の仕事をきっかけに葬儀業界へ、年間300件のお別れに立ち会い、2021年、株式会社 葬援の取締役に就任。